各投球フォームについて~投げ方の種類とそれを活かす変化球~

投球フォームと言っても、大まかに分類してもオーバースロー、スリークォーター、サイドスロー、アンダースローなどがあります。そしてこれらのフォームによって、変化球の向き不向きがあり、変化球を活かすこともあります。どのフォームにはどの変化球が向いているのか、それを事前にチェックしておきましょう。

オーバースローについて

身長が高い人ほど球に角度が出て、ストレートにとても威力があるります。基本的にもっとも球速を出しやすい投法で、縦の変化球をより有効に使えます。スリークォーターはひじに負担が少なく、コントロールが付けやすいフォームです。オーバースローでコントロールが悪い人は、スリークォーターで投げてみて、リリースポイントのコツを掴むのもいいでしょう。

オーバースロー、スリークォーターに向く変化球とは?

最も多くの投手にしようされているオーバスローは上から下に向けてボールを投げるというフォームで、上から振り下ろすことによってストレートが最も球威をもつことができます。また、スリークォーターは、サイドとオーバーの中間から投げる方法で、コントロールがつけやすいといわれとされています。両方のフォームともに、重力にかなった投げ方である上投げであるのでストレートは最大の武器になるはずです。

上から投げるため、球道が下がっていきます。そのためカーブ、スライダー、フォークなどの下に落ちる変化球は威力倍増になります。さらに速球を武器にしているのであれば、SFF・カットボールなどの、速球からの派生変化球は強力な効果を期待できます。

オーバースロー、スリークォーターの長所と短所

長所
☆ストレートの球速が他の投球フォームに比べて早く投げやすい(人それぞれではあるが)
☆上から投げ下ろすめ角度がつきバッターにとってはカナリ打ちにくく、身長が高い人はさらに威力が上がる
☆タテ系の変化球が投げやすい。
☆誰でも簡単に投げれるので初心者にもおすすめ。
☆ストレートも変化球も投げやすい万能型。

短所
☆ヨコ系の変化球が投げにくい。・・・・・・・『シンカー×』
☆他の投球フォームに比べてコントロールが悪くなる傾向がある。
☆ほとんどの人が使っているのでスリークォーターを苦手としているバッターがいない。
☆投球フォームに個性が出にくくなる。

サイドスローについて

腕が横から出てくる訳なので重力を活かすことができずに上投げに比べてどうしてもスピードが落ちてしまいますが、オーバーすローに比べれば制球をしやすいと言われます。慣れないとコントロールするのは難しいものです。

また、体の柔軟性など様々な要素がある人にとってはサイドスローの方が球速が早くなる人もいます。横元ヤクルトイムチャンヨン投手なんかははサイドスローで150キロ以上出すことができていますね。さらに、プレートの端にたって投げるクロスファイヤーと呼ばれる武器があり、横の揺さぶりにも長けています。

一般的に「サイドスローの5キロ増し」という言葉があるくらいなので、非常に打ちにくいフォームではあります。サイドスローで最も重要なのが、腰の横回転です。よく腕投げのサイドスローになってしまう人も少なくは無く、腰の回転をしっかり意識しなければサイドスローを活かすことはできません。腰の横回転としっかりした下半身が合わさることでサイドスローは非常に打ちにくいフォームとなります。

サイドスローの長所と短所

長所
☆比較的に体重移動がスムーズに行え、リリースポイントが安定し易くボールコントロールがし易いので、オーバースローなどに比べると良く安定しやすい。
☆ヨコ系の変化球が投げやすくなる。『スライダー◎・シュート◎・シンカー◎』
☆ストレートの軌道が他のフォームとちょっと違って打ちにくい。
☆ボールにナチュラルな変化がつき易く打ち難い
☆横の変化球を大きく変化させ易い

短所
☆オーバースローと違ってストレートのスピードが出にくい。
☆下半身の力がカナリ必要となってくる。
☆体の開きが早くなる癖がつき易い
☆開きが早くなることで腕(肘)を引っ張り負荷がかかる
☆肩よりも肘への影響が大きい
☆縦の変化をつけ難い

○変化球
・カーブ、スライダー
握りはオーバーハンド系とあまり変わりませんが、手の甲を地面側に向けてリリースします。上投げに比べると比較的容易に投げられると思います。ちなみに元々サイドスローはスライダー回転がかかるため、磨けばスライダーなどとんでもない曲がり方をしたりします。元阪神ウィリアムスのスライダーを思い出せばわかりやすいですね。

シンカー
サイドハンドの場合、基本的にツーシームで握り、
ストレートよりも手の甲を天井側に向けて、手を被せるようにリリースします。

×フォーク系
基本的にはオーバー系に比べると投げ難い変化球なのですが、手首を立ててリリースする事によってオーバーの時と同様な変化を得ることはできます。

アンダースローについて

アンダースローとは、別名『下手投げ』と言われサイドスローよりも低い位置を投げるフォームです。下投げといっても、リリースするポイントは人それぞれで、サイドに近いフォームの方もいます。逆に極端に低く投げる投手も折、ロッテの渡辺投手はなんと地上5cm!

アンダースローは下から投げるために抵抗が発生して、プロでも130kmが限界と言うぐらいスピードがでにくいフォームです。ですが、球筋が下から上へホップするように見え、非常に打ちにくいというメリットがあります。ですが中途半端なアンダースローは身に着けても、ホームランボールとなる上に、柔軟で強い下半身が必要となります。

アンダースローの長所と短所

長所
☆ストレートがホップするように見えるためかなり打ちにくくなる。
☆アンダースローは少ないため、アンダースローを苦手としているバッターがたくさんいる。
☆ホップする球とタテ系の変化球を使えば効果抜群。

短所
☆すべてのフォームの中で最もてストレートのスピードが出にくい。
☆下半身の力がカナリ必要となってくる。体が柔らかくないと投げにくい。
☆投球フォームの中で最も難しい投げ方。

○X変化球
サイドとおなじ。

アンダースローは浮き上がるような球筋ですから、それを利用した、渡邊(ロッテ)選手の「ライズ」という変化球もあります。サイドスローは読んで字の如く腕が横方向から出てくる投げ方ですが、上半身の使い方は基本的にオーバー、スリークォータースローと同じです。

おまけ、トルネード投法などの特殊な投法

この世の中には分類できないような変則フォームもある。UFO投法、マサカリ投法など・・・その中でも最も有名なのが野茂元投手のトルネード投法。トルネード投法は、振りかぶった投手が一度大きく打者に背中を見せるまでねじりを加え、そこから一気にボールを放つ投法である。
トルネード投法の長所は、一般に球持ちが長くなるため打者がボールの離れる瞬間(リリースポイント)がわかりにくく、打ちづらいところにある。更に身体の回転により、球速・球威が増す。短所は、一度キャッチャーに背を向けて体全体を使って投げるため、頭がぶれやすくコントロールが悪くなりがちです。

また、モーションが大きいことから走者を背負ったときには体をねじる動きは使えません。また、2段モーションとして扱われる場合もあるのでトルネードスローをマスターすることは大変です。

初心者のフォームチェック

最後にフォームチェックをしてください。肩が早く開きすぎて体の力が逃げてしまっていないか??踏み出した足のカカトから着地していないか??体重が一塁側にかかっていないかをしっかりとチェックしてフォームを固めてください。